Hello World from the Vineyard

どこかのだれかの副音声

Court of Master Sommeliers Level 1に合格した

Court of Master Sommeliers(CMS)というイギリス発祥のソムリエ認定機関のLevel 1(Introductory Sommelier Course & Exam)に合格しました。
全部でLevel 4まであり、Level 2(Certified Sommelier)から正式なソムリエを名乗れるようになります。

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SOMMというドキュメンタリー


Somm Official Trailer 1 (2013) - Wine Documentary HD

CMSのLevel 4(Master Of Sommrier)は世界で269人しかいません。
Netflixで"SOMM"というCMS Level3(Advanced Sommelier)を持つ4人の若者が、Level 4合格を目指した試験前3週間のドキュメンタリーが壮絶で個人的におすすめです。

  

CMS Level1の受験の話 

CMS Level1の合格率はさほど低くないのですが、専門外の人間が受験するには試験科目範囲が広く、英語で試験を受けることそのものが人生初めてになるので一発合格する自信がなく、プレッシャーで自分が潰れかけたので、自ワイナリーのメンバーや両親にも話していませんでした。

試験自体がすごい荘厳な雰囲気の中で行われ、良い人生経験となったのですが、忘れないうちに試験対策の記憶を書き残しておこうと思いました。

 

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CMS Level1は2daysコースで1,2日目でテイスティング込みの講習があり、2日目の最後にペーパーテストがあります。
講習の中で、写真のようなワインのブラインドテイスティングが赤2種白2種の4グラス x 6フライトあります(合計24グラス)。

試験範囲は、ブドウ栽培・ワイン醸造・オールドワールド(フランス・イタリア・ドイツ・オーストラリア・スペイン・ポルトガル)・ニューワールド(アメリカ・チリ・アルゼンチン・南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド)。そして、酒精強化ワイン・スイートワイン・ビール・日本酒・サイダー・ウイスキーテキーラ・ジン・ウォッカ・カクテル系・さらにフードペアリング。多い。
「講習会オンリーで試験に臨むと、普通に落ちる」と事前評判があり、実際に当日の講義はエグい速さで進むので、予習&試験対策が必須でした。
(隣の座席のお姉さんが、講義の速さにFワードを連呼してて、殺伐して怖かった……)

4択問題70問で、合格ラインが60%です。

 

ウイスキーが得意科目になっていることに後で気が付きました。

 

試験勉強の話 

受験勉強でお世話になった教材は、この4つ

  • Introductionary Sommelier Course Workbook 
  • GUILDSOMMの動画 & App
  • Windows on The World Compete Wine Course
  • Wine Folly
Introductionary Sommelier Course Workbook(標準の教科書)

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各章毎を読みながら、章末問題を解いたノート作って、フラッシュカードをもそもそと作りました。いざ教科書を読もうとしたら、知らない英単語が結構あり、読み進めていくのが辛かった。わからない単語は下線を引いて、さくっとある程度読み進めて、あとから単語を一気に辞書で引く。時間があるとき or 単語がわからないと進められないときは、都度単語を調べる。みたいなノリで読破しました。特にフランス・ドイツあたりは、英語がわからないというより、フランス語とドイツ語が読めないみたいな難解さでした。

 

 

GUILDSOMMの動画

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guildsomm.comというCMSの受験対策や昨今のワイン事情など載っているコミュニティサービスがあり、CMSの受験生は年間$50で入会出来ます。教科書で学んだ章に関連する動画を、お風呂や風呂上がりに延々と観まくりました。「教科書でうっすら読むことは出来るけど、発音が一切わからない地名」みたいなのは、動画や音声が救ってくれます。

 

GUILDSOMMのApp

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このGUILDSOMMにはアプリがあり、そこで試験の擬似問題を延々と解くことが出来ます。
合格ラインへなかなか届かず、普通に病みました。

 

Windows on The World Compete Wine Course

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教科書と内容はかぶっているのですが、情報のまとめ方の切り口が異なっていたり、章末問題が充実していたので、こちらの本もお世話になりました。教科書で3日前に勉強した内容を、この本で復習していくスタイルになってました。巻末に、英独仏語をすべて横断したワイン関連の辞書がついているので、教科書の謎単語を調べる際にもお世話になりました。携帯で調べようとした際に、Gewürztraminerの'ü'の入力方法がわからない問題みたいなのがあり、「ああ、紙の辞書は便利ー……」って思いました。

 

 

Wine Folly

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資格を目指さなくてもおすすめの一冊。表紙がかっこいい。「ワインのこと、ざっくり知りたければ、どの本が良いか?」というとWine Follyがおすすめです。インフォグラフィックスが充実しており、寝る前や勉強に疲れたときに読んでました。

 

 

猛勉強というものを久しぶりにしました。

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Level 2も受けようと思う。

CMS Level1は、ノリと勢いで出願したけど、難易度的にはレストランのアルコールのサービス部門で働いて3年程度推奨と知ったのは受験4日前でした。

布団に入る度に頭の中で "Gevrey-Chambertinは、どの地域でどの葡萄か?"、"Chaptalizationは、なにか?"、"1800年後期に葡萄畑を壊滅に追い込んだ病の名前は?"など脳内で繰り返すようになり、答えを思い出せなかったり疑問が湧くと、起き上がって教科書を読む……を繰り返してしまい、寝ることに失敗した日が何度かありました。


CMS Level1合格から3年間は、Level2(Certified Sommelier)の受験資格があります。
次のピンバッジを目指して、元気が戻ったら、また道を歩みはじめてみようと思います。
 

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